リーマンショックを乗り越た地域づくりのコンセプト。

先日、植栽デザイナーが撮って送ってくれた写真(建物まわりには、それぞれ1本ずつ種類の異なる桜が植えてある)

今から13年前、リーマンショック直後の2009年、都内高級住宅街のマンション開発の土地取得~企画~販売までのプロジェクト担当をしていた。

リーマンショック後でマンション価格は軒並み下落。値下げ合戦が市場では繰り広げられていた。

当時、なかなか売れないマンションを集中的に販売する業務を担っていた。

コンセプトを明確にし、ターゲットも定めないと誰にも買って住んではもらえない。売れなければ、下手すると地域のただのお荷物にさえなってしまう。

小さい頃から歴史好きだったこともあり、そのプロジェクトでは、とにかく、その「土地の記憶」を掘り起こし、それを後世に引き継いでいくために、どう表現するかを考えた。

その土地は、江戸期には大名屋敷があり、周辺一帯は、植木職人が多くいた場所で桜の名所だった。

土や瓦、桜をモチーフに後世まで末永くその土地になじんでいくような建物・空間づくりになるようなコンセプト・企画を考えた。

スケジュールとコストを調整し、自ら植栽・照明デザイナーや左官職人(今では海外でも活躍)を探して訪ね、一緒にプロジェクトに関わってもらった。

仕事納めの12/28の夕方に駆け込み、プロジェクトを一緒にやってもらえるか依頼に行ったりもした。

最終的にプロジェクトは、リーマンショック後の中にあって、販売から僅か数日で完売。当時社内で最速の完売記録を作った。

つい先日、植栽デザイナーから、「ふと、マンションに立ち寄りたくなって見てきた。今でも色褪せることなく、むしろ深みを増している。ちなみに、マンションの価格は中古の今の方が新築時より上がって売りに出ている。」と連絡があり、改めて喜びを分かち合えた。

関わる人たちが共感できるコンセプトをたてることが地域やまちづくりにはやはり大切なのではないでしょうか?

皆さんはどう思いますか?

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