採用担当者は「人のことが好きで、世の中の色々なことに興味を持っている人」が理想だ。
履歴書記載の経歴や趣味などを見て応募者とスムーズにやり取り・会話をすることが大切だ。
自分の見たり聞いたり知っている範囲内で応募者と話せそうなところを見つけられると良い。
例えば、学生が「韓流好き」と趣味の欄に記載があれば、
「何が好きなの？ ドラマ？ 音楽？ 食べ物？」、「BTS とか TWICE はやっぱみんな好きなの？」とか「チーズタッカルビ食べたことある？」とか聞く。
学生が「梨泰院クラス」とか「イカゲーム」が好きだといえば、「結構ミーハーで流行に乗るタイプかなーとか、ネトフリが入口かなー」とか思い、「マニアックだったり親世代が見るようなドラマ」が好きだったら、「推しの追っかけまでするガチなタイプかなーとか、母親の影響？ 友達親子タイプかなー」とか想像したりして、「好きになったきっかけは？ いつ頃から好きだったの？ どこが好きなの？」とか聞き、少しずつ掘り下げてやり取りをしていく。
ただの雑談で終わってはダメで学生が想定しているハードルを越えていきたい。
単に学生とおじさん・おばさん（今や小学生からしたら既に高校生がおじさん・おばさんらしい。僕なんかもうとっくにお爺さんだ。。。）が雑談をしているだけになってしまわないように、学生とは違う「大人」としての視点が垣間見え、「へぇ～、おじさん～意外とよく知ってんじゃんっ！！」と「にこるん・みちょぱ・ゆうちゃみ」に言ってもらっているような映像イメージで。
できれば、若者に媚びを売るミーハーおじさんで終わるのではなく、会社の採用担当者として「おぉーなるほど！！ そういう見方や会話の流れになるのか～」と、学生にちょっとした「アハ体験」を与えられると学生の記憶に残ってより良い。（中身の薄いただのミーハーおじさんほど「かたはらいたし」ものはない。自戒の念も込めて。）
今年の春の新卒採用でも韓流好きの学生との面接の流れで、「aespa（エスパ）知ってる？」って聞いた。
学生は「aespa（エスパ）」は知らなかった。「BLACKPINK（ブラックピンク）」は知っているというので「メンバー構成や曲調・世界観」から「音楽シーンやIT世界の過去・未来感、多様性社会」の話まで「aespa」と「BLACKPINK」を通じて会話することができた。この学生は最終的に、複数内定をもらっている中から当社（前職）に決めてくれた。
また、ずっとサッカーをやってきた学生なら、「ポジションはどこだったの？」、「小学生の頃からずっとそのポジション？」とか聞く。
学生が「ずっとボランチでした。」と言えば、「じゃあ、常にゲームメイクしてきたんだね。 良く周りを見てきた？ 点取り屋になりたいと思わなかったの？」と聞いたり、ずっと「小学生の頃はセンターバックでした。」と言えば、「じゃ、小さいころから身体は大きかったの？ いつポジション変更したの？」とか聞いたり。
サッカー激戦区や名門校出身であれば、「冬の選手権はどんな成績だったの？」とか「県大会のライバルはどこだったの？」とか聞いて「静岡なら静学・藤枝東・清商、群馬なら育英・桐生 どこが強かった？ 栃木の矢板とはやったことある？ 各校戦術の違いはあった？」という感じもいい。（もちろん畳みかけて聞くんじゃなくて学生と会話するテンポで）
好きな選手などもひと通り聞いて、サッカーに対する思いや姿勢について尋ねる。
学生が温まってきたところで、「大学までサッカーやっていてプロ目指さないの？ とか、実業団でやらないの？ とか、一般企業に就職するので本当にいいの？ 当社を志望する理由は？」とか本質・核心を聞いていく。
「これまで好きなことをして親に迷惑をかけ、応援もしてもらってきた。これからは一人前の大人として親に恩返しをしたい。」という学生もいて心の底からの発言だと感じる時は僕も胸が熱くなる。
最後には、「あの冬の選手権の時の広瀬すず・大原櫻子は良かったよね～とか、三阪咲って路上ライブからスタートなんだってね～」とか、より砕けた話でクールダウンして終われるとベストだったりする。
とにかく学生が力を入れてきた勉強やスポーツ・趣味でもボランティアでも家事でもバイトでも何でもいいので自分が興味を持って聞くことだ。それには自分も常に色々とアンテナを張っていないといけない。
興味を持って掘り下げて会話し、互いに本音・本質・核心を捉えていくことが大切だ。
「質問→→→答え。以上！！」みたいな１ターンで終わる質問ではなく、「会話」をしよう！
学生は、もし１ターンで終わるような採用担当者に会ったら「あまり人に興味のない。学生をまるで品定めするかのように未だに『選考』しているような採用担当者であれば、その会社は未来志向でない。」と思ってもいいかもしれない。
たまには親子や友達同士でも面接をネタに会話してみてはどうでしょうか！？
【参考】
aespa（エスパ）JAPAN OFFICIAL WEBSITE (aespa-official.jp)